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無理なく行動が変わる看板

「無理なく行動が変わる看板」は、命令や注意ではなく、

ちょっとしたヒントで行動を変える方法です。

ナッジ理論を使って、

誰でも楽しく行動を変えられる

工夫や考え方を紹介します。

そもそもナッジ理論ってなに?

ナッジ理論は、「人に何かを強制したり命令したりせずに、自然と良い行動をとってもらうための工夫や考え方」のことです。「ナッジ(nudge)」は英語で「そっと背中を押す」という意味があります。つまり、無理やりではなく、ちょっとしたヒントや仕掛けで、みんながより良い選択をしやすくする方法です。

ナッジ理論のポイント

ナッジ理論にはいくつか大事なポイントがあります。強制しない「絶対こうしなさい!」と命令するのではなく、「こうしたらどう?」とそっとヒントを出します。選ぶのは自分ナッジはあくまで「選びやすくする」だけ。最終的にどうするかは自分で決められます。人はつい楽な方や、いつも通りの行動を選びがちです。でも、ナッジを使うと、無理なくみんなが健康になったり、社会が良くなったりします。ナッジは、みんなが気づかないうちに自然と良い行動をとるように考えられています。有名な例を見てみましょう。

男子トイレの便器に的

「的を狙いたくなる」という人間の心理を利用し、強制せずに利用者の行動を自然と望ましい方向(床を汚さない)へ誘導する。とても有名なナッジです。実際、オランダの空港で導入したところ、清掃費が8割削減されるなど高い効果が確認されています。

コンビニのトイレに「いつもキレイに使って頂きありがとうございます」貼り紙

このメッセージは利用者に「周囲の人もきれいに使っている」という社会的規範を意識させ、自然とトイレを清潔に使う行動を促します。強制ではなく、感謝の気持ちを伝えることで利用者のモラルを高め、快適な環境維持に貢献する効果的なナッジです。

コンビニにレジ待ち足跡マーク

足跡マークがあることで、お客さんは自然とその上に並び、順番待ちに自然とルールができるためトラブルが少なくなります。混雑し人が並ぶシーンが多い場所にはとても有効です。好ましい行動を促すナッジの典型です。

階段にカロリー消費量を表示

階段にカロリー消費量や健康メッセージを表示し、エスカレーターより階段利用を促す。他、階段をピアノの鍵盤に見立て歩くと音が出るナッジは大掛かりですが効果的なナッジ。

ゴミの分別アイコン

今や当たり前となっていますが分別アイコンやイラストをゴミ箱に表示することで、利用者が直感的に正しい分別を選びやすくなり、分別行動を促進します。回収作業の負担軽減やリサイクル促進に効果があることが実証されています。

「ここは自転車捨て場です。ご自由にお持ちください」という看板

自転車放置防止にブラックユーモアを使った有名なナッジの例です。「ここは自転車捨て場です。ご自由にお持ちください」という看板を掲示した例です。このメッセージは「放置すると他人に持っていかれるかもしれない」という心理的不安を利用し、結果として放置自転車が一気になくなりました。従来の「自転車を放置しないでください」といった注意喚起よりも、ユーモアと損失回避の心理を組み合わせたことで高い効果を発揮したナッジです。

価格帯の松竹梅

お弁当の価格帯を2種類から3種類に増やすことで、中価格帯の売上が増加。消費者は「損をしたくない」心理から極端に高い・安い商品を避け、中間を選びやすくなる。これもナッジです。この方法は「極端回避性」という心理、つまり極端に安いものや高いものを避けて中間を選びやすい傾向を活用しています。販売戦略や商品戦略として、さまざまな場面で使われています。

税金納付通知に「10人中9人が期限内に納税」と記載。

これは「多くの人が守っている」という社会的規範を示すことで、受け取った人も同じように期限内納付をしたくなる心理を利用しています。強制せずに、自然と望ましい行動を促しています。逆に健診やがん検診で「受診しないと来年度は受けられません」と損失回避を強調しても効果が認められています。

まとめ

ナッジ理論は、「そっと背中を押して、みんなが良い選択をしやすくする方法」です。強制や命令ではなく、ヒントや仕掛けで自然と良い行動をとれるようにするので、学校や社会のいろいろな場面で役立っています。もし自分の周りでも「こうしたらみんながもっと楽しく、良い行動ができるかも?」と考えてみると、ナッジを使ったアイデアが見つかるかもしれません!

ナッジってすごくワクワクしますよね。良いアイデアが浮かんだら看板にしてみませんか

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